工法概要
盛土直下の基盤に高強度繊維からなる引張補強材であるジオシンセティックスを挟み込んだ砕石層を築造し、液状化時の盛土の変形を抑制する工法です。
- 液状化の発生は許容するものの,盛土の水平変位や沈下等の変形量を道路機能確保又は修復限界以内に抑制します。
- 従来の改良工法に比べて,大幅なコストの縮減を図る事が可能です。(天端幅10m,盛土高7mにて縦断方向30万円/m 直工費))
- ジオシンセティック(パラリンク)を砕石層の剛性で盛土底部の変形を抑制し,砕石層の排水効果により液状化発生を抑制できます。
SECURE-G工法
(Stabilized Embankment Construction Utilizing Reinforcement with Gravel)
遠心模型実験と解析
施工事例
盛土鉛直変位と地盤内変形(遠心加速度50G 東京工業大学)
Case1(無対策)
Case3(SECURE-G)
- のり尻水平方向変形抑制
- 沈下量抑制無対策の70%
- 不同沈下量抑制(ジオシンセティックスと砕石が盤的な挙動を示す)
動的有効応力解析(LIQCA)による実験の再現
Case1(無対策)
Case3(SECURE-G)
- 動的有効応力解析手法:LIQCAによるシミュレーション
- 工法の沈下抑制効果を評価
過剰間隙水圧消散
Case1(無対策)
Case3(SECURE-G)
Case1(無対策)
Case3(SECURE-G)
- 盛土直下の過剰間隙水圧の抑制(液状化の抑制)
ジオシンセティックスの張力
実験時 ジオシンセティックス張力分布
ジオシンセティックス張力経時変化
(盛土中央から1mの位置)
盛土の変形とともにジオシンセティックスに張力が作用
砕石層の剛性に寄与
※ 実験結果から砕石+ジオシンセティックスを弾性支承上の梁としてモデル化し、ジオシンセティックスの張力を評価
(実験結果=最大値-0秒時張力)
施工
掘削
不織布敷設
砕石層施工(ジオシンセティックス下層)
ジオシンセティックス敷設
砕石層施工(ジオシンセティックス上層)
盛土施工
不織布
不織布の厚さは、1.5mm以上とし、掘削底面と側面に敷設します。
また、ロス率10%を見込むこととします。
砕石
以下の性能を満足するものを使用します。
表1 砕石必要性能
※ 再生砕石(RC 材)は長期の透水性に問題が生じる可能性があるため使用しない。
特許実施料
SECURE-G工法は特許工法であるため以下のような特許実施料が生じます。
特許実施料=材料費(砕石、ジオシンセティックス、不織布、備品)×2%
施工実績
西日本高速道路(株)四国支社 駐車場整備工事(2013年4月~2013年11月)
南海トラフ地震:2m津波想定 レベル2地震動(設計水平震度kh=0.4)
津波到達後の緊急車両走路確保
施工位置
代表断面
ジオシンセティックス敷設状況
駐車場完成後
ホームページリンク
一般社団法人ジオシンセティック変形抑制工法研究会